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BRITANNIA LOSS PREVENTION 第10号 // 2024年5月 代替燃料 - LNG 海運業界はかつてない難題に直面する中、脱炭素化と ゼロエミッションの達成に向けて奮闘しています。 海運の脱炭素化は、地球環境を守るための急務であると同時に、 業界で代替燃料にシフトする動きが見られるように、 新たなイノベーション分野にもなりつつあります。 本号のパートナー Waves Groupは、海事・オフショアエネルギー業界向けにサービスを提供する世界有数の独立系コ ンサルティング会社です。必要不可欠な助言や分析、データを提供することでお客さまを支援し、業 務の結果への自信と確信を高めています。 あらかじめ計画されていたプロジェクトも、突発的な出来事も、全世界をカバーする対応チームが 年中無休でサポートします。長年の実務経験を通して積み重ねてきた確固たる実績を基に、 詳細な技術分析やデータに裏付けされた実用的なアドバイスを提供することで、不確定要素を 減らし、問題をスムーズに解決します。 船長、機関士、造船技師、海上土木技師などの専門家からなるチームが、火災、海難救助、 オフショアエネルギー、クレーン、代替燃料、海事データの収集・分析などの分野で専門知識を 提供します。海難事故、紛争、港湾運営、オフショアエネルギーインフラの建設・解体をはじめとする 各種プロジェクトに関して、開始から終了、そしてさらにその先までお客さまをサポートします。 ロンドン、サウサンプトン、シンガポール、ヒューストン、ロッテルダムに事業所を構えており、 世界中のプロジェクトに迅速かつ効率的に対応します。 脱炭素化に移行するための新たな 燃料として現在最も普及しているのは、 液化天然ガス(LNG)ですが、メタノール や水素などもゼロエミッション燃料候補 として台頭しつつあります。将来的に どの燃料が本命になるかは まだ不透明 で、この先の需要増に応えるために さまざまな代替燃料が必要になる 可能性もあります。 代替燃料を選ぶにあたっては、意思決定プロセスの一環とし て、リスクの確認・評価を入念に行うなどデューデリジェンス を実行する必要があります。また、リスク評価の際は、 エンジンメーカーや燃料サプライヤー、船級協会、 船体保険者、本船の旗国当局など、幅広い関係者に相談 することが求められます。 主な検討事項: 1.エンジンへの適合性と影響 エンジンメーカーに相談し、導入を検討している 代替燃料が本船のエンジンに適合できるか、 エンジンの改造が必要になるかを確認してください。 2.燃料の管理 代替燃料の取り扱いにはその他の燃料とは異なる 作業上の危険が伴うおそれがあるため、船員に 訓練をきちんと受けさせることが不可欠です。 3.健 康・安全・環境(HSE) 代替燃料は環境的には大きなメリットがあるかも しれませんが、代わりに安全上のリスクを高める おそれがあります。そのため、導入の際にはHSE リスクの入念な評価も併せて実施し、燃料取扱時は これを船内における安全対策の基盤としてください。 4. 品質 代替燃料について今はまだ国際規格が定まって いないため、適切な燃料を供給してもらえるよう、 明確かつ詳細なスペックを船主が定める必要が あります。 ブリタニヤのロスプリベンション部門はWaves Groupと合同 で、バイオ燃料や液化天然ガス、メタノール、アンモニア、 水素などの主な代替燃料の導入に関するアドバイスを提供 しています。各代替燃料の導入を検討する際に重視すべき 点は、保管、取り扱い、給油、安全性、緊急時対応の適切な 方法です。 本ガイダンスでは液化天然ガス(LNG)について取り上げま す。LNGはこれまで長年、LNG輸送船が貨物として輸送し、 燃料にも使用してきましたが、今回はLNGを燃料専用に 積載する船舶を対象に解説します。LNGは環境にやさしく、 供給量が増えており、船舶燃料として安心して使用できる 技術も確立されていることから、さまざまなタイプの船舶で 従来の化石燃料に取って代わる燃料として広く普及するよう になりました。とはいえ、LNGも化石燃料の一種であり、ゼロ エミッション燃料に今後求められる要件や期待値は満たせ ないかもしれません。そのため、他のゼロエミッション燃料が さらに普及するまでのあくまでつなぎ的な燃料とみなされる ことが多いです。 燃料としてのLNGには、給油、保管、船内取り扱いに関する 具体的な方法を記載した「ガスまたは低引火点燃料を使用 する船舶の安全に関する国際コード」(IGFコード)が法律上 の要件として適用されます。 LNG // BRITANNIA INSIGHT 2 給油 LNGは極低温での保管が必要で、従来の 燃 料と特性が大きく異なります。船舶に給油 ( バンカリング)する際も安全面でのさまざまな 問題やリスクがあり、対策が必要です。 LNG特有のリスクに対処するためには、入念な計画と 適合性調査が必要です。船舶から船舶、陸上施設から 船舶、トラックから船舶など、各バンカリング方法に合わせた 具体的な作業手順を策定しなければなりません。また、 作業をスムーズに進めるためには、適合性評価も必要となり ます。このようなしっかりした調査や手順を実施することで、 万が一漏洩や噴出があった場合でも、燃料移送装置が 安全な状態に戻り、LNGの流れを止めることができます。こ れを実現するためには、以下の点が求められます。 保管 LNG燃料の保管に使われているタンクは 主に2種類あります。1つはタイプC圧力タンク です。LNGに圧力をかけて保管することができ ます。通常は甲板上に設置され、かなりの スペースを必要とします。もう1つはメンブレン 式 タンクです。船体の中に埋め込まれるのが 一般的で、LNGを沸点以下に保つために専ら 防 熱が必要になります。 LNGをタンク内で極低温状態で保管することは難しく、最終的 に何らかの形で熱侵入が発生し、LNGの蒸発を引き起こして しまいます。熱侵入の原因となりうるのは、船体の揺れに 伴う液体の振動や、タンク外部からの熱伝導などです。その 結 果、液体燃料が蒸発してタンク内の圧力が高くなります。 タンク圧を適切な状態に維持できないと、圧力逃がし弁から 燃料が突然放出する事態にもなりかねません。こうした放出 は燃料の浪費や環境被害につながるだけでなく、余分な 圧力をベントした後も逃がし弁が閉じず、場合によっては タンク全体のベントを許してしまうリスクもあります。このよう な事態を防ぐためには、以下の点を心がけてください。 1.タンクへの熱侵入が起きないよう気をつける。 タンクおよび極低温配管の防熱状態をきちんと保ち、 サーモカメラで低温箇所を確認し、温度が上がって いる場合は防熱機能が損なわれている箇所を修理 しましょう。 2. タンク圧を常に監視する。タンク圧が高くなるほどLNG の温度も高くなります。LNGを消費し続けていれば圧力 を低く保ち、温度も保つことができます。ただ、これは 二元燃料船においては傭船者との争いの原因になる かもしれません。LNGよりもう1種類の液体燃料のほう が価格が安いときは、傭船者としては安い燃料を消費 して燃料費を抑えたいからです。しかし、安いほうの 燃料を消費してLNGを消費していないと、LNGタンク内 の圧力(および温度)が上がってしまいます。傭船者 からそのような要請があった場合は、タンクの温度と 圧力を保つためにもLNGの消費が必要だということを 理解してもらう必要があります。 LNG // BRITANNIA INSIGHT 3 1.船舶の設計段階で船舶給油シナリオを決めておく。そ れによって給油可能量と給油速度の限界が明確にな り、移送装置が給油作業に適切かが分かる。 2.本船における燃料受け取り可能流量を最大12 m/sま でとする。 3.緊急停止(ESD)作業時の圧力の急上昇を考慮してお く。 4.漏洩検知装置を設け、作業範囲を適切にカバーし、漏 洩を迅速に見つけられるようにする。 5.燃料移送装置は、機能失敗確率が低い安全度水準 (SIL)を満たしたものを使用する。 6.安全手順を定め、船員への訓練を実施することで、危 険区域を割り出し、作業区域内に発火リスクが
Loss Prevention Insight - Alternative Fuels - LNG - Japanese
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