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2023年2月14日 海難事故におけるサルベージサービスの契約、従事の潜在的な遅延に関する国際グループの見直しの要旨 (Executive Summary of the Group’s Review into the Potential for Delays in the Contracting and (Engagement of Salvage Services in Marine Casualties) 背景 2020年、救助契約の伝統的な書式であるロイズ救助契約標準書式(LOF)の使用件数が歴史的な少なさとなり、 この数十年の減少傾向が改めて浮き彫りになりました。一方、別の契約書式で契約を結んだためにサルベー ジサービスの開始に遅れが生じたり、中には、そうした契約を結んでいなければ避けられたであろう油濁損害 責任や船骸撤去責任が生じたりしたケースがあったことも分かりました。国際P&Iグループ(IG)はこうした点を 懸念し、元閣僚権限代行者(SOSREP)のHugh Shaw氏に、救助作業の遅れの直接的・根本的な原因と思われ るもの、およびLOFの使用率を上げていくために必要と思われる対策について、第三者の立場から中立的かつ 客観的な調査・検討を依頼しました。 このHugh氏による最終報告書はIGに提出されたのち、2022年7月に公 表されました。こちら から無料でダウンロ ードいただけます。またHugh氏は、同年9月にロイズで本件に関する発表を行い、その報告内容はLOFに関す るロイズ独自の評価と合わせて検討されています。 主な報告内容 Hugh氏による評価の概要は以下のとおりです。 1. サルベージサービスの契約・開始遅れは増加傾向にあり、場合によっては、命が失われたり危険に さらされたりするような状況にまで発展しかねない。 2. LOF使用の減少は、船長や陸上管理責任者(Designated Person Ashore [DPA])が権限を行使でき るようになり、事故に迅速に対応できるようになったことが大きい。 3. 事故に関する一部の利害関係者は、救助費用が不確実であることを嫌ってLOF以外の契約書式を 選ぶことも多い。結果、負担の少ない契約内容にしようとして契約交渉に時間がかかり、作業開始 が遅れるおそれがある。一部の海事当局は、救助作業の開始遅れに合理性が見いだせない場合、 船主に費用を負担させた上で、自らの権限で救助業者と適切な契約を選べるようにすると明らかに している。 4. 一刻を争う緊急事態の場合は、LOFが「優先すべき契約書式」であることには変わりない。「不成功 無報酬」の原則は救助業者のモチベーションを高め、LOFはシンプルで効果的であり、使いやすい。 ただし、これまでも悪用・誤用されてきたと言われているほか、サルベージの報酬額の査定に時間 がかかる、報酬や費用が不透明といった懸念がある。 5. 「サイド レター」を用いる場合は、さらに遅延するおそれがある。 6. LOF契約が少なくなれば、救助業者は新しい技術や機材への投資を続ける意欲が削がれかねず、 救助費用が最終的に船主や保険会社にはね返ってくる可能性がある。 7. 沿岸国の「介入」または「介入」のおそれは、契約交渉が長引いている際には意思決定を「速める」 良い効果があると認識されている。 8. 教育と訓練は適切な人物を対象に行う必要がある。 9. 救助の方法や手順について当事者間で合意しておかなければ、遅れる可能性を抑えるどころか、 むしろその可能性を助長することにもなる。 10. 事故対応の中心となるすべての利害関係者がスムーズに話し合って連携する必要がある。 上記の内容を踏まえ、報告書では主に以下のように提言しています。 1. 国際海運会議所(ICS)は船体(H&M)保険会社およびP&I保険会社の協力のもと、船長、DPA、また は安全管理システム(SMS)で名前が挙げられているその他指定管理者が国際安全管理(ISM)コー ドに従い 、サルベージサービスの発注・準備に関するしかるべき知識・経験を有し、迅速かつ決然と 行動する権限を持てるようにする必要があると、メンバー に改めて認識させるべきである。 2. ICSは国際海事機関(IMO)の海上安全委員会(MSC)に対し、同委員会発表のCircular 6(指定管理 者の役割を引き受けるにあたり必要な資格・訓練・経験に関するガイダンス)を今後改訂し、サルベ ージサービスの準備に関する言及も含めるよう要請する書簡を提出することを検討するとよい。 3. ロイズ救助仲裁部門(LSAB)は、少なくとも過去20年間のLOF契約による報酬額の変遷を調査した 上で、報酬額の規模を分析し、(a)報酬が事前に決まっている商業契約、(b)標準的なLOF契約、(c) 1989年海難救助国際条約第13条で規定する報酬額に上限を定めたサイドレター付きのLOF契約、 の3つで事故を処理したと簡略化した場合、それぞれのケースにおける費用の「格差感」に対処する。 4. LSABは、実際の決済/報酬額、決済額の幅、現実的な例/ケーススタディのそれぞれを、かつての Lloyd’s Open Form Digestのデジタル版のような形で公表できないか検討する。 5. LSABは、業界の懸念を取り込み、高い透明性をもって行われた作業には「正当な報酬を支払う」と する基準を設けることを打ち出した、新しいLOFを改めて発表する。 6. すべての利害関係者は、海事当局内の主要な意思決定者との連絡方法を確認し、事故対応の評 価、事故対応の方法、契約の選択肢、進捗状況について、常に情報をやり取りできるよう努める。連 絡が取れないと、作業の遅れにつながる、または国家の介入を招き、救助に関して特定の行動を取 るよう「指示される」リスクが高まり、費用がさらにかさむおそれがある。 7. IGのアウトリーチプログラムにまだ参加していない海事当局は、IGに連絡して詳細を確認するとよい。 8. 国際海上保険連合(IUMI)は、H&M市場における「総合査定幹事」を利害関係者がすぐに特定でき、 関係者同士の対話をスムーズに進められるようなシステムにするなど、現行の体制を改善する余地 がないか検討する。 9. 独立した議長と、業界から幅広く集めた担当者で構成する、サルベージの契約・作業・実施に関する 教育運営グループ/委員会を設ける。 10. IG、IUMI、国際救助連合およびICSは、自ら指名した関係者らとワーキンググループを作り、業界共 通の実務指針/ガイドライン(CoP)を策定、実行することを検討する。 IGは、本報告書の報告結果を受け入れ、各国の船主・救助・保険業界にこれらの提言を実行するよう推奨して います。 この場を借りて、本プロジェクトに尽力してくださったHugh氏に心より御礼申し上げます。 本件に関してご質問などございましたらお問い合わせください。 以上 (翻訳)ブリタニヤ・ヨーロッパ日本支店 本Circularはすべて英文の日本語訳です。日本語訳と英語版の間に齟齬がある場合は英文の内容を 優先下さるようお願い申し上げます。
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pi_circular Britannia P&I ·2023-03-07

Delay in the Contracting and Engagement of Salvage Services in Marine Casualties

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